【解説】
悪徳不動産の
“よくある手口”と
最新トレンド
【動画】
いつもご覧いただきありがとうございます!今回は「悪徳不動産のよくある手口と最新トレンド」についてです。
「高い金額で売れると言われたのに、結局は大幅に値下げさせられた…」
「仲介契約のつもりで署名したら、実は売買契約だった…」
こうした声は、近年オーナー様から急増しています。
さらに、実はこの動画は、現在も裁判中の案件に関連しており、公開が遅れていました。 まさに進行形の事例だからこそ、オーナー様にとっても重要な教訓となる内容です。
そこで今回は、不動産管理の現場で20年以上の経験を持つ当社の専務と社長、それぞれの視点から、典型的な手口と最新の事例を具体的にご紹介します。
この記事では、
・高値査定からの値下げ誘導
・「引渡し延ばし」などの最新手口
・実際に寄せられたご相談と、その数字の実態
などを交え、オーナー様が資産を守るために注意すべきポイントをわかりやすく解説します。
ぜひ最後までご覧いただき、トラブルを未然に防ぐヒントとしてお役立てください。
【解説】悪徳不動産の“よくある手口”と最新トレンド【動画】
こちらの記事は上記動画の解説記事となっております!
よく見られる“典型的な手口”
悪徳業者が昔から使う手口の一つが、相場よりはるかに高い金額で物件が売れると持ちかけることです。
たとえば、相場が7,000万円程度の物件を「1億2,000万円で売れますよ」と売主を巧みに誘導します。
売主は当然、少しでも高く売りたいと考え、この言葉に乗ってしまいます。
しかし、業者との媒介契約を結び、数カ月経っても買い手は見つかりません。
そこで業者は、こう言い始めます。
「これだけ売れない物件を買ってくれる業者がいるんですよ」。
実は、この仲介業者の裏には提携している買取業者がいて、最初から安く買い叩く計画を立てているのです。
最終的に、売主は最初に提示された高額な売却価格を諦め、本来の相場か、それよりも安い価格で買取業者に物件を売却することになります。
仲介業者は売主と買取業者の両方から手数料を得て、買い叩いた買取業者も安く物件を仕入れることができ、双方にとって「WIN-WIN」の関係が成り立ちます。
しかし、売主は不当な取引によって損をしてしまうのです。






近年増えている“最新の手口”
① 「引渡し延ばし」+三為(さんため)転売
近年のインターネットの普及により、不動産ポータルサイト(SUUMO、アットホーム、LIFULL HOME’Sなど)や、国土交通省の「不動産取引価格情報検索」を通じて、 実際の成約価格・路線価・公示価格といった相場データを誰でも簡単に調べられるようになりました。
そのため、かつて横行していた「相場より極端に高い査定を提示して売主を誘導する手口」は、
売主自身が相場を把握できるようになった今、見破られやすくなったのです。
そこで登場したのが、より巧妙な「引渡し延ばし」という新しい手口です。これは、業者自らが買主となり、売主に直接売買契約を結ばせるというものです。
この手口の鍵は、売買契約を結んでしまう点にあります。
通常、不動産の売買は媒介契約(仲介を依頼する契約)から始まりますが、悪徳業者は媒介契約ではなく、いきなり売買契約を結ぼうとします。
なぜなら、一度売買契約を結んでしまうと、売主が契約を解除する際に多額の違約金が発生するため、売主は事実上、身動きが取れなくなるからです。
業者はこの状態を利用して、物件の引渡しを意図的に引き延ばします。
そして、売主が手放せなくなった物件を、他の第三者に転売する活動を始めます。
契約書には「買主側だけ有利な解除条項」や「修繕負担を売主に一方的に課す文言」が盛り込まれるケースもあります。
この「第三者のためにする契約」、通称「三為(さんため)」と呼ばれる手法で、業者は物件を所有することなく利益をあげることができるのです。
売主が自由を奪われ、不利な条件を受け入れざるを得ないように仕組まれたものです。
オーナー様にもわかりやすいよう、この構造を『引渡し延ばし』と名付けました。
🔰 用語解説:三為(さんため)とは?
「第三者のためにする契約」の略です。売主と買主が契約した後、買主が別の第三者へ転売できる仕組みのこと。
悪用されると売主が不利になります。
② 「手付金の前払い・使い込みリスク」
契約当日に高額の手付金を入れることで、売主の心理的な後戻りを困難にさせる手口です。
さらに実態が不明確なまま資金が動くと、解約や返還交渉で不利になる恐れがあり、トラブルの火種となります。
🔰 用語解説:手付金とは?
売買契約を結ぶときに買主が支払うお金のことです。契約を守る証拠金のような性質があり、通常は売買代金の一部に充てられます。
③ 「契約書・司法書士・買主の一方指定」
契約書の雛形や司法書士、さらには買主までも、業者側が一方的に指定するケースです。
売主にとって不利な条項が紛れ込みやすく、中立性が損なわれます。
🔰 用語解説:司法書士とは?
不動産の売買契約で登記手続きを行う専門家。売主と買主双方が合意して選ぶのが基本です。
④ 「売出しの瞬間を狙う/直接訪問で即日サイン」
売出し直後や年末年始など家族に相談しづらいタイミングを狙い、
「今日または明日伺います」と突然訪問し、その場で署名・押印を迫るケースです。
冷静な判断時間が奪われ、不利な条件を飲まされてしまう危険性があります。
🔰 用語解説:媒介契約とは?
不動産会社に「この物件を売ってください」と依頼する契約のことです。本来は媒介契約を結んでから売却活動が始まります。
⑤ 「損切り延ばし問題」
「今売ると安いから、もう少し待てば高く売れる」と業者に言われ、決断を引き延ばされる手口です。
実際には市場価格が下がり続け、結果的にさらに安く売らされるケースが多発しています。
さらに悪質な場合、
・「契約不適合責任を免除する代わりに安くした」と主張するのに、契約書にはその記載がない
・免除条項があっても、実際には売主だけ修繕義務を負わされる
こといった矛盾が見られます。
売主は「安く売った理由」も「責任の免除」も失い、二重に不利な立場に追い込まれてしまいます。
🔰 用語解説:契約不適合責任とは?
売却後に欠陥が見つかった場合、売主が修繕や費用負担をする責任です。








実際に起きた裁判中の事例
70代のご夫婦に、東京の不動産会社を名乗る業者から突然電話が入りました。
「築24年のアパートを買いたい人が2~3人います。売りませんか?」
本来ご夫婦は「相続前にいずれ売却するかもしれないが、10年ほど先の話」と考えており、今すぐ売る予定はありませんでした。
ところが業者は、
・「家賃が下がっている」(60万円超 → 48万円台/月、直近でも約3万円減)
・「レオパレスは施工不良で将来売れなくなる」
と不安を煽り、「今すぐ決断しないと買い手がいなくなる」と迫ってきました。
その結果、媒介契約のつもりで署名した書類が、実は 売買契約書(4,345万円)でした。
しかし実際には、預貯金の余裕がありローンも1年9か月で完済予定。今すぐ売る必要はありませんでした。
不安を感じたご家族が当社に相談し、専務が確認したところ相場は6,000〜7,000万円、当社査定では6,500万円。
最終的に当社での売却を選び、2,155万円(約33%)の損失回避につながりました。
なお、この件については現在も裁判が継続中であり、悪質な契約の有効性が争われています。






数字で見る「悪質手口」の実態


大手不動産業者でも油断は禁物
さらに、驚くべきことに、大手不動産会社も同様の悪質な手法を用いることがあると指摘されています。
ある物件の売買において、1番手となった買い手は値引きを要求したにもかかわらず、高値で満額購入を申し出た2番手の買い手である専務の申し出を、担当者は拒否しました。
その理由は、
「査定額以上の金額で売却すると、会社の査定方法に問題があると見なされる」というものでした。
この件は、売主の利益を最大化するはずの仲介業者が、自社の都合を優先し、意図的に低い金額で取引を成立させようとしていることを示しています。






まとめ
不動産取引には、
・ 「引渡し延ばし」+三為転売
・ 「手付金使い込み」
・ 「損切り延ばし問題」
・ 「買わせて後で損切りさせる」
・ 「契約書買主指定」
・ 「司法書士買主指定」
・ 「売り出しの瞬間」
・ 「売主直接訪問」
といった悪質手口が存在します。
共通しているのは、売主が冷静に判断する時間を奪われ、不利な条件を押しつけられるという点です。
不動産の取引は大きな金額が動くため、信頼できる業者を見極めることが何よりも重要です。
一見するとお得に見える話には、裏に隠された巧妙な手口があるかもしれません。
少しでも不審に感じたら、すぐに別の専門家にも相談し、トラブルを未然に防ぎましょう。
私たち管理会社LEAFは、単に建物を管理するだけでなく、契約書の事前チェック、売却時の相場確認、弁護士との連携など、オーナー様の資産を守るためのサポートを行っています。
「数字を出されて焦った」「この契約書の内容が不安」という方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。
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