5-1-6いまどきの入居者は、仲介会社をどう選んでる?

いまどきの入居者は、仲介会社をどう選んでる?

「いつも空き部屋に入居を決めてくれる仲介会社はどこにいるか?」――最寄り駅の駅前仲介会社か、それとも2駅先の仲介会社か。

少し発想を変えてみると、どの仲介会社に頼めばいいかが自ずと絞られてきます。


ターミナル駅前?最寄り駅?仲介会社はどこにお願いするのがいい?

現在の集客対策としてはネットがもっとも効率的ですが、客付け仲介会社に物件情報を知ってもらうことも忘れてはいけません。
入居者の2~3割は仲介会社を訪問して図面を見て、ネットで問い合わせた物件以外で決めているというデータもあるからです。

出典:アットホーム「“UNDER30”私たちの選び方 ~部屋探しのプロセス&マインド~」(2015-2016年全国)を基に作成

相性の良い仲介会社を見つけよう

アパート経営歴の長い地主系のオーナーの場合は「昔から付き合いのある駅前の会社に任せている」といったケースも珍しくありません。
レインズやポータルサイトに物件情報を出していれば、どの仲介会社も情報を得られるので、たくさんの会社に依頼しなくても良いという見方もあります。しかし、条件が悪く競争力の弱い物件の場合、そもそもネット検索から漏れてしまう可能性もあるのです。

管理会社が物件情報をオープンにせず、社内の仲介部門や自社系列の仲介会社にしか情報を出していない場合もありますので、オーナー自ら他の仲介会社にも営業することを考えたほうがいいでしょう。
とはいえ、たくさんの不動産会社の中から、どこにアプローチすればいいのかわからないかもしれません。

ファンド会社が運営する高級賃貸マンションの空室募集対策を担う専門会社では、客付けしてくれる可能性のある仲介会社をデータベース化し、100社以上に情報を出しているそうです。
個人オーナーがそこまでの対応をすることは難しいでしょう。そこで、ポイントは「自分の物件に興味のある入居者に選ばれる仲介会社」を見つけることです。

過去の仲介会社の実績をリスト化してみるのも◎

有力な仲介会社を見つける1つの方法としては、過去の賃貸借契約書や重要事項説明書に記載されている仲介会社のリストを作ることです。
その中から頻度の高い会社の上位3~5社をピックアップします。こうした書類が残っていなければ、管理会社にヒアリングしてもいいでしょう。こうして仲介会社を調べてみると、意外な事実が判明するかもしれません。

たとえば、もっとも多く入居者を決めているのは物件の最寄り駅を拠点とする仲介会社だと思いがちです。上図でいえばA社が浮かびます。しかし、実際に決定率が高いのは、隣の急行停車駅にあるC社だったり、ターミナル駅のF会社だったりします。
入居者は、初めから最寄り駅や住所を指定して探すわけではありません。学校や会社から30分以内など、所要時間の範囲を決めてから内見したい物件候補を絞り込みます。そのため物件情報が集まりやすいターミナル駅の仲介会社に行くことも多いからです。

オーナーが持つ物件の“営業マン”ともいえる仲介会社を、選択の範囲を広げて見つけ出してください。