1-1-8現地調査で、賃貸以外の異分野ライバルの状況も知ろう

賃貸経営ノウハウ辞典

空室対策の基本と手順

現地調査で、賃貸以外の異分野ライバルの状況も知ろう

現地調査で、賃貸以外の異分野ライバルの状況も知ろう

4つのステップで現状を診断してから、改善が必要な課題を見つけ、どんな解決策を実行すればいいか、その方針を立てましょう。何よりも「空室の原因は何か」を発見し、原因に応じた対策を立てることが大切です。


競合調査は空室対策の基本。足を使って自分の目で確認を

今は、所有物件の空室対策のためにインターネットを活用し、周辺地域の賃貸市場の情報収集ができるようになりました。

しかし、それだけでは競合物件の本当の良し悪しはわかりません。やはり、足を使って自分の目でチェックすることも非常に大切です。ぜひ現地に足を運んで調査をしてみましょう。

ポータルサイトの物件情報には詳細な番地は表示されていませんが、外観写真が出ていることが多いので、現地調査をする際は周辺を歩きながら当たりを付けましょう。

探すこと自体が、住環境や施設を調べることに繋がります。

現地に着いたら、外観をはじめ、エントランスや自転車置き場などの共用部分の様子、デザイン、グレード、清掃状況などを確認しましょう。自分が借り手になったつもりでチェックすると、気になる点や参考にすべき良い点が見えてきます。自分の物件を客観的に見る目も養われ、どう改善すればいいかもわかってくるはずです。

また街を探索していると、「学生さんが多い」「乳幼児の子育てファミリーが目に付く」など、どんな人が住み暮らしているかが感じられ、賃貸ターゲットを想定することもできるでしょう。

また、競合は賃貸だけとは限りません。周辺市場の異分野のライバルも調査対象に入れましょう。例えば、今は住宅ローン金利の低下で、家賃より低い返済負担でマンションを購入できます。そのため、新築や中古マンションの供給が多いエリアは、賃貸脱出組が増える可能性もあります。

分譲マンションのモデルルームを見学して、設備仕様のトレンドを知り、採り入れられる要素を検討するのも、自分の物件のバリューアップを図る上で役立ちます。

さらに、空き家問題の解消の一環として、これまで空き家になっていた一戸建てが賃貸に回ってくる可能性も出てきました。それらは、シェアハウスに転用されるケースもあるでしょう。

このように幅広い視野で地域の現状をつぶさに観察し、賃貸ならではのコンセプトを打ち出すなどして、いかに入居者を引き留められるかを考えていきましょう。