2-1-3エアコン、給湯器、キッチンなど住宅設備の寿命って何年? 交換のサイクルや費用は?

賃貸経営ノウハウ辞典

設備の導入

エアコン、給湯器、キッチンなど住宅設備の寿命って何年? 交換のサイクルや費用は?

エアコン、給湯器、キッチンなど住宅設備の寿命って何年? 交換のサイクルや費用は?

「壊れてから直せばいい」という発想は入居率低下のもと。設備の寿命がわからないのに、いつどうやって修理や交換をすればいい?主要な住宅設備の寿命と修繕や交換のサイクル、費用の目安について紹介しましょう。


住宅設備の寿命を把握することで事前に対応でき、トラブルが減り入居者の満足度アップに繋がる

「真夏にエアコンが効かない」「冬場にお湯が出ない」といったクレームが来て、あわてて設備会社の手配や修理に追われたことはありませんか。対応を一歩間違うと、入居者の心象を悪くして退去を招きかねません。最近の入居者は権利意識も高くなっているため、設備故障を直すまでの間、「ホテルに避難していた宿泊料」「銭湯に通った入浴料」などを請求されるおそれもあります。

「トラブルの一次対応は管理会社に任せている」「24時間駆けつけサービスの体制を整えている」というオーナーもいるでしょう。それらによって事後的な対応はスムーズに行くかもしれません。しかし、一歩進んで、住宅設備の寿命を知り、完全に故障する前に修理や交換をしていれば、トラブル自体を減らし、入居者の満足度を上げることができます。


設備メンテナンスの考え方

設備のメンテナンスには「事後保全」と「予防保全」という2つの考え方があります。

事後保全は壊れてから直すこと、いわば対症療法的なアプローチです。予防保全は、一定の周期で点検・修理・部品交換・更新して故障発生を未然に防止することで、「定期メンテナンス」ともいいます。事後保全では、複数の部屋で一度に何台も設備が壊れると大変。作業もコストもかさみます。定期メンテナンスをすることで、費用の平準化につながり、経営が安定します。

どの設備をいつ修理したり交換したりすればいいのか、また、その際にいくらかかるのかは、住戸のタイプによって多少異なります。「アパートの1Kタイプ」の目安を下図に示しました。

出典:公益財団法人 日本賃貸住宅管理協会『賃貸住宅版 長期修繕計画案作成マニュアル(改訂版)』

そもそも設備の寿命とは?

設備の「寿命」は「一斉交換」の時期を想定しています。実際には、図に示したように「物理的」「経済的」「社会的」な側面があります。物理的な耐用年数はまだ残っていても、入居者のニーズとかけ離れた設備は早期に交換したほうが良いという「社会的な寿命」もあることを知っておきましょう。


まとめ|入居者と定期的にコミュニケーションとってトラブルの種を早期発見

以上、紹介してきたことを実践するには、入居者と定期的にコミュニケーションとってトラブルの種を早期発見する必要があります。たとえば、意欲的な管理会社では、年に1度、あるいは契約の更新時などに入居者へアンケートを実施して、「不具合や使い勝手の悪いところはありませんか」と尋ね、設備の現状を確認する努力をしています。オーナー自身でこれを実施してもいいでしょう。ちょっとしたクレームの電話なども、不具合や故障を早めに知らせるシグナルと捉え、メンテナンスに活かすという発想も大切です。