3-1-4リフォーム・リノベーションの見積もりを取る際の注意点は?
リフォーム・リノベーションの見積もりを取る際の注意点は?
見積書で詳細な内訳を出してもらい、工事項目を揃えて比較検討
施工会社から適切な見積もりを取るための準備として、まずオーナーがやるべきことがいくつかあります。それは、建物の現在の状態、工事のスケジュール、どの部分をどう工事したいのか、を明確にしておくことです。
建物の状態の把握のためには、築古の場合は住宅診断や耐震診断などを行います。
住宅診断を行わなかった場合、工事途中で思わぬ不具合や劣化が発見されることがあるからです。補修費用がかかり、工事総額が大幅にアップする可能性があるので注意が必要です。
工事のスケジュールは、管理会社と調整して決めます。室内のリフォーム・リノベーションは、一般的には入退去のタイミングで行われます。
工事の方針や希望条件は、見積もり依頼の時に希望を伝えやすいよう、予めまとめておきましょう。キッチン・バス・トイレ・洗面台などの水まわりは、カタログを見てグレードを決めます。
また、入居者ターゲットを変えるような大規模なリノベーションの場合は、コンサルタント会社に依頼して、周辺地域の市場調査を行った方が安心です。
では、実際に数社から見積もりを取り、比較検討する際の注意点は何でしょうか? 主に二つが挙げられます。
一つ目は、見積書で複数工事が「一式」とまとめられていたら、内訳を出してもらうことです。
リフォーム・リノベは具体的金額が比較的出しやすく、初めから単価・数量が明記されることが多いです。そのため、異なる複数工事が含まれたものを「○○工事一式」として出す会社はあまり誠実ではありません。
会社により様式は異なりますが、「工事項目・材料の名称/規格・仕様/数量・単位・単価/金額」が詳細に書いてあるのが適切な見積書です。
リフォーム工事の見積書の例
二つ目は、各社の見積書を横並びにし、工事項目を揃えて比較検討すべきということです。
比較対象表を作ると、作業項目の有無、材料のグレードの差、仕様の違いが一目瞭然です。最終的な金額の高低だけでは判断できません。良心的な会社では解体・廃材処理費、搬入費、養生代、下地補修費なども含まれています。
そして「打ち合わせで伝えた要望がきちんと反映され、抜けはないか」「頼んでいない余計な工事が含まれていないか」などを、図面と照らし合わせて確認します。
規模の大きい工事の見積書は、内容が複雑になり、建築のプロでないとチェックしきれないかもしれません。コンサルティング会社や設計事務所に見積りチェックを依頼してもいいでしょう。
また、もし追加工事が発生したら、必ず書面で残しましょう。
古い物件では工事途中で不具合が見つかり、追加工事が発生することがよくあります。後のトラブル防止のため、見積書や議事録などは書面で残しておくことが大切です。