6-2-4賃貸住宅で入居者の迷惑行為を防ぎ、生活マナーを守ってもらうための対策とは
賃貸住宅で入居者の迷惑行為を防ぎ、生活マナーを守ってもらうための対策とは
迷惑行為を繰り返す不良入居者のせいで、他の入居者がごっそり退去してしまった悲惨な事例は多くあります。迷惑行為が発生した場合は、決して放置することはできません。不良入居者対策としてやっておくべきことと、やってはいけないことを知っておきましょう。
手紙で入居者への声掛けをスムーズに。貼り紙はNG
入居者の迷惑行為に悩むオーナーは少なくありません。
放っておくと、他の優良入居者が退去したり、物件を荒らされて、内見に来た入居希望者に嫌われてしまう可能性もあります。不良入居者が滞納や夜逃げの予備軍となる場合もあり、賃貸経営をやがて窮地に追い込むリスクになることもあるので、注意が必要です。
迷惑行為が発生したら、最初の対策手段としておすすめなのは手紙です。
礼儀正しい落ち着いた文面で注意をしたためますが、あくまで「お知らせ」の形をとり、名指しは避け、投函先もあえて入居者全員とします。真面目な入居者に対しては、「大家は動き始めていますよ」というメッセージの意味を持たせるのです。
この手紙を出しておくと、次に直接本人に声をかける際、スムーズになります。
逆に避けておきたいのが、物件の共有部などへの貼り紙です。かえってすさんだ雰囲気が強まる上、「ここには不良入居者がいます」と内見者にも宣伝しているようなものです。
定期借家契約の活用も効果的だがハードルは低くない
近年、不良入居者対策の決め手と言われているのが「定期借家契約」です。
借地借家法の規定に縛られず、契約期間の満了をもって入居者には退去してもらえます。残りの契約期間の長さによっては、さらにしばらくの我慢を強いられますが、とにかく時期さえやってくれば、不良入居者には問答無用で出て行ってもらえます。
ただし、ハードルは低くありません。定められた期間で終了する契約であることを、予め入居希望者にしっかりと説明して了解を得なければなりません。期間終了後に新たに契約し直すことは可能ですが、それを保証するものではないからです。
それらの説明が大変という理由で紹介を避ける仲介会社が多く、入居者を決めるのに苦労します。期間限定なので、家賃を相場より安くする必要が生じるかもしれません。
入居促進にもつながる!「マナー同意書」の作成も効果的
不良入居者を入居させないための予防策として、最近注目されているのが「マナー同意書」です。
契約の際、賃貸借契約とは別に、その物件に暮らす上での定められた生活マナーについて、入居者から書面で同意をもらうのです。入居者同士の挨拶、マナーの重視、生活ルールの厳守、災害時の助け合い、共用部などに異常があった際の緊急通報などに同意する旨が
書かれた書面にサインをもらいます。
これによって不良入居者の発生を抑制できるだけでなく、「これにサインをした人ばかりが住んでいる物件ならば安心」と、効果は入居の促進にも及んでいるそうです。